SNSの普及により「インフルエンサー」が一般的になって久しいです。
マーケティングでも活用される事が多いですが、そもそもインフルエンサーは具体的にどんな定義で、なぜ注目され、どのように活用が出来るのでしょうか?
そこで今回は、
- インフルエンサーの定義や流行の背景
- インフルエンサーの活用方法やメリット
- SNSごとの有名なインフルエンサーと各SNSの特徴
などを解説していきます。
インフルエンサーとは
インフルエンサーとは、主にSNSの情報発信によって世間に大きな影響を与える人物を指します。
影響力や感化という意味を持つ「Influence(インフルエンス)」が語源となり、Influencerとなりました。
例えば芸能人や有名人もインフルエンサーですが、SNSの普及で一般人でも影響力を持つ人が増えたことにより、インフルエンサーという言葉が広まりました。
インフルエンサーの定義
何人以上のフォロワーがいればインフルエンサーなのか、という明確な定義は決まっていません。
また、一昔前はフォロワーが多ければ良しとされていましたが、最近ではフォロワー数だけでなく投稿に対するいいね率などのエンゲージメント率などの影響力も見られるようになりました。
フォロワー数が少なくても、フォロワーの質が良ければインフルエンサーとして企業から判断されるケースもあります。
ある特定のコミュニティで根強いファンがおり、強い影響力があると企業・広告主側が価値を見出しているのです。
ただフォロワーの数だけを見るのではなく、エンゲージメント率を事前に確認することが重要です。
インフルエンサーが注目される背景
ではなぜこれほど「インフルエンサー」という言葉が広まったのでしょうか?
SNSの台頭によるインフルエンサーの誕生
インフルエンサー(インスタグラマー)が流行っている背景として、SNSの利用者が年々増加し、企業の広告宣伝手段としてSNSは無視出来ない存在になったことが挙げられます。
「インフルエンサーが好きだからその人の使ってるものを買おう!」という経験があなたもあるのではないでしょうか?
SNSが普及したことにより影響力を持つ個人が多数現れたのです。
インフルエンサーマーケティングの流行
SNS・インターネットの普及により、企業が発信する情報だけで商品購入をするのではなく、口コミを重視する傾向が強くなリました。
そこでユーザーが信頼感を抱きやすいインフルエンサーを広告等として活用するインフルエンサーマーケティングがビジネスの主流になってきました。
インフルエンサーのカテゴリー
インフルエンサーはそのフォロワー数(ファン数)や影響力によって大きく4つのカテゴリーに分類されています。
具体的には以下の4つです。
- トップインフルエンサー(フォロワー数100万人以上)
- ミドルインフルエンサー(フォロワー数10万人以上)
- ナノインフルエンサー(フォロワー数1万人以上)
- マイクロインフルエンサー(フォロワー数1,000人以上)
一般的には上位に行くほど費用も増えるため、インフルエンサーマーケティングを行う際には費用対効果を考えた上でどのカテゴリーのインフルエンサーを活用するか見極める事が重要です。
一概にフォロワー数が多いから有効というわけではありません。
トップインフルエンサー
フォロワーが100万人を超えるようなインフルエンサーをトップインフルエンサーもしくはメガインフルエンサーと呼びます。
主にテレビに出るような芸能人や有名人が当てはまり、その影響力は物凄く、情報のリーチ力は大変大きいです。
ただし幅広いフォロワーを持つことから、いいねやシェアなどのエンゲージメント率はやや低くなる傾向にあります。
このカテゴリーまで行くと従来のテレビCMのようなイメージです。
ミドルインフルエンサー
フォロワー数が10万人を超えるインフルエンサーをミドルインフルエンサーと言います。
芸能人だけではなく、SNS上でのみ活動するような一般人の方が多くなってきます。
トップインフルエンサーに比べるとリーチ数は劣りますが、いいねなどのエンゲージメント率が高い傾向にあるのが特徴です。
芸能人ではないものの、その人個人にファンが多く付いている場合が多いです。
SNSを活用してとにかく多くのユーザーにリーチ・認知拡大したい場合に有効です。
マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーはフォロワー数が1万人を超えるインフルエンサーを指します。
グルメやコスメ、ファッションなどの特定ジャンル、コミュニティでの有名人や人気のある方が多いです事が特徴です。
トップ・ミドルインフルエンサーと比べてフォロワーと密に接しており、エンゲージメント率が高いです。
リーチよりも根強いファンを作りたい場合のインフルエンサーマーケティングで有効なカテゴリーです。
ナノインフルエンサー
1,000人以上のフォロワー数を持つインフルエンサーはナノインフルエンサーとして分類されます。
狭いコミュニティでの影響力が強く、友人や知人レベルでの繋がりが多いため、コメントやいいねなどのリアクションが起きる可能性が非常に高いです。
まずはインフルエンサーマーケティングをリスク少なく試したい場合などに有効なカテゴリーです。
インフルエンサーを起用するメリット
前述の通り、SNSを活用しインフルエンサーをマーケティングに活用したインフルエンサーマーケティングが非常に注目されています。
インフルエンサーをマーケティングに活用するメリットを解説していきます。
ユーザーに受け入れられやすい
これまでのテレビCMや広告といった一方的なマーケティング手法はユーザーに嫌われる傾向にあります。
しかし、ファンであるインフルエンサーが共感を呼ぶ形で、投稿の中で自然にサービス・商品を紹介する事ができるため、ユーザーに受け入れられやすいです。
また、商品・サービスを好きになる(=ファンになる)可能性が高いのです。
ターゲット層にリーチができる
インフルエンサーはグルメやファッションなどの特定のジャンルでの情報発信をしている事が多いです。
コスメ領域で女性から根強い人気を持つインフルエンサーを活用すれば、コスメに関心を持つ、つまりリーチしたいユーザー層に的確にアプローチすることが可能になります。
そのため従来の広告に比べ、高い費用対効果を持つマーケティングを行う事ができます。
ブランドの認知向上
SNSの特徴の1つに拡散力があります。インフルエンサーの投稿にユーザーが共感し、その投稿を拡散してくれることも考えられます。
さらに商品・サービスのファンにもなってもらいやすいため、ユーザー自身が口コミを投稿し他の人へと広がっていくこともあります。
このようにSNSの特性を活かして、多くの人へと広がり、ブランドの認知度向上に繋げる事が可能です。
前述の通り広告が嫌われ、昨今では広告をブロックする機能を使っているユーザーもいますが、そうしたリーチしにくいユーザーへも認知拡大をする事ができます。
インフルエンサーが活躍するSNSとは
各SNSに様々なインフルエンサーが存在します。
SNSごとに特徴も違うため、各SNSの特徴と、代表的なインフルエンサーを紹介していきます。
Twitterは、最大140文字のテキストをメインに共有ができるSNSです。
独自のリツイートという他の投稿をシェアする機能により、一気に拡散する可能性がある媒体です。
Twitterをメインというよりは、他のアカウントに付随してサブで運用するインフルエンサーが多いことも特徴です。
Twitterの代表的なインフルエンサー
Twitterで有名なインフルエンサーを紹介します。
小嶋陽菜さん
フォロワー数:310.6万人(2022年3月現在)
小嶋陽菜さんはご自身でもアパレルブランドを手掛けるファッションアイコン。
モデル、経営者と複数の側面でとても注目されています。
リュウジさん
フォロワー数:212.2万人(2022年3月現在)
リュウジさんは簡単に真似出来る料理レシピを発信するインフルエンサー。
主婦が家庭にある食材で簡単に美味しい料理を作れることから、多くの方から支持されています。
Instagramは画像をメインとした、ビジュアル的な側面が強いSNSです。
特に流行に敏感な若年層の女性から支持されており、Instagramを中心としたインフルエンサーはインスタグラマーとも呼ばれます。
Instagramrの代表的なインフルエンサー(インスタグラマー)
Instagramで有名なインフルエンサーを紹介します。
渡辺直美さん
フォロワー数:965.9万人(2022年3月現在)
渡辺直美さんはビヨンセ等のモノマネで有名なお笑いタレントですが、活動範囲は幅広いです。
テレビやCMはもちろん、ご自身でプロデュースしたファッションブランドやカラコンも人気です。
ファッションやメイクに関する投稿をすれば、その商品が売り切れるほどの影響力を持っています。
藤田ニコルさん
フォロワー数:444万人(2022年3月現在)
にこるんの愛称で親しまれており、モデルだけでなくバラエティなどでも活躍。
仕事や休日の投稿とは別に、メイクやファッションに関する投稿をすることもあり、一度投稿をすればフォロワーの女性が真似をしようと同じものを購入するほどの影響力があります。
YouTube
youtubeは長尺の動画がメインのSNSです。
youtube上のインフルエンサーはyoutuberと呼ばれます。
youtuberの代表的なインフルエンサー(Youtuber)
youtubeの代表的なインフルエンサーを紹介します。
ヒカキンさん
チャンネル登録者数:1,060万人(2022年3月現在)
ゲーム実況などのエンタメ系コンテンツで人気となったyoutuberです。
誰でも楽しめるコンテンツで、子供から大人まで、幅広い層から支持を受けていることが特徴です。
はじめしゃちょーさん
チャンネル登録者数:1,010万人(2022年3月現在)
〇〇をやってみたなどのエンタメ系の企画が得意なyoutuberです。
ヒカキンさんと同じく、小中学生を中心として人気を博しています。
TikTok
中国発のショートムービーを中心としたSNSです。
元々は若者から始まりましたが、今や大人も巻き込む人気のプラットフォームとなっています。
TikTok上のインフルエンサーをTikTokerと呼びます。
TikTokの代表的なインフルエンサー(TikToker)
TikTokで有名なインフルエンサーを紹介していきます。
景井ひなさん
フォロワー数:1,090万人(2022年3月現在)
2020年7月にフォロワー数が女性TikToker日本一になったこともある景井ひなさん。
エンタメ系の動画から始まり、今やデルや女優、声優まで活動の幅を広げるほどの影響力を持っています。
あああつしさん
フォロワー数:280万人(2022年3月現在)
スマホのみを使用しておしゃれな動画撮影の方法や編集方法を投稿している動画クリエイターです。
動画の楽しさはもちろん、簡単に真似出来る事からも人気となっています。
インフルエンサーを起用する際のポイント
ここまでインフルエンサーについて見てきましたが、実際に起用を考えた際に気をつけるべきポイントがいくつかあります。
フォロワー数だけでなくエンゲージメントが重要
まず、フォロワーだけでそのインフルエンサーの影響力を判断することが避けた方が良いです。
いくらフォロワーが多かろうと、自社のターゲットとなる層とかけ離れていてはマーケティング効果が薄くなってしまいます。
最終的にはどれだけのフォロワーから反応があるかが重要なため、可能であればインサイト(いいねやコメント率、フォロワーの属性などの情報)を開示してもらい、自社のターゲットとマッチしているか、どれだけの反応が得られそうか、事前に確認することが重要です。
投稿を見ればある程度の情報も分かるため、事前調査はしっかりと行いましょう。
ステルスマーケティングによる炎上に気を付ける
消費者からステルスマーケティング(ステマ)と思われ、ブランドにマイナスイメージを持たれる危険性も孕んでいます。
ステルスマーケティングとは一見広告やPR案件に見えない形で投稿を行ってもらうことで、もし広告であると判断された場合にユーザーから非難が起きます。
対策としては事前に投稿に関するルールを設けておくことが重要です。
投稿時にPRやAD、協賛などの記載をしてもらうことなどです。
ただし投稿の内容自体にルールを設けると、魅力的な投稿がされにくくなってしまうので、あくまで投稿に関するルールのみを設定しておくことがポイントです。