起業の科学を本気で実践してみた(Customer Problem Fitの番外編)

起業の科学を本気で実践してみた(Customer Problem Fitの番外編)

起業の科学を本気で実践してみた#2(Customer Problem Fit)の方で飲食領域の検証を記載しましたが、同時に映画領域での検証もしておりました。

結果としてまずは飲食領域から進めていこうと考えたため、映画領域は進めていないのですが、Customer Problem Fitの検証までは行いましたので、ここまでの流れを記載できればと思います。

目次

Customer Problem Fitの実践(映画領域)

課題仮説の構築

ペルソナの設計

ペルソナの設計

まずは仮説ベースで、上記のようにペルソナを作成しました。

ここから一言で説明すると、「新社会人になって低家賃の神奈川に引っ越して通勤時間を持て余しゲームや動画アプリを楽しんでいて、動画は夜に家でWi-Fiを使用してダウンロードしている」と仮定しました。

そしてさらに深堀するために、ペルソナの心境も整理しました。

ペルソナの心境

エンパシーマップの作成

ペルソナのエンパシーマップ

さらにペルソナを理解するために、エンパシーマップを作成しました。(日常的に何をし、何を感じているか)

カスタマージャーニーの作成

カスタマージャーニー

ユーザーについて臨場感あるペルソナの設計ができたので、ペルソナのカスタマージャーニーを作成しました。

ここから見えてきた現状の姿の課題仮説は、以下の3点です。

  • 毎度固定され変化の無いレコメンド内容
  • レコメンド内容から興味を持ちにくい
  • レコメンド内容に確証が持ちにくい

前提条件の洗い出し

自分の中で確からしい課題仮説が生まれてきましたので、前提条件が間違っていないか、ジャベリンボードを使用して前提条件の洗い出しを行いました。

ジャベリンボードで検証項目の洗い出し

いくつか検証すべき項目を洗い出しましたが、明らかに自明なものを除き、検証すべきと判断したのは以下の項目です。(後ろについてる割合を満たせば成立すると仮定しました)

  • 定期的に視聴するか(50%以上で検証完了)
  • レコメンドに不満を持っている(変わり映えしない)(50%以上で検証完了)
  • 外部にレコメンドを求める(30%以上で検証完了)

課題〜前提の検証

課題仮説、前提条件の洗い出しが完了したため、ここからは実際にユーザーにインタビューを行い検証を行いました。

ユーザー集めは主に以下の手段を行い集めました。

インタビュー項目は以下の通りです。

スクロールできます
分類質問事項
デモグラ情報名前
デモグラ情報年齢
デモグラ情報居住地域
デモグラ情報職業
課題VODアプリは何を使用しているか
課題どんなタイミングで週にどれくらいの頻度見るか
課題ダウンロードorストリーミング?
課題次に見る作品をどうやって探してるか
課題アプリを開く前の状況から、実際に開いて探してアプリを閉じる所までを出来るだけ詳細に教えてください
課題その作業の際に何か不満に感じることはあるか
ソリューションその不満に対してもし魔法のランプがあってなんでも出来るとしたら、どうしますか?またはどんな物があれば良いと思いますか?それに必ず含まれるべき機能は何だと思いますか?

インタビューの実施

インタビュー結果の一部

上記はインタビュー結果の一部ですが、結果的に29人にインタビューを実施することが出来ました。

余談ですが、当初wordにメモ書きでメモしていましたが、Excel形式(共有するためにはスプレッドシートの方が尚良)で項目別にまとめるとかなり振り返りが楽です。

※もし詳細なインタビュー内容に興味がある方はご連絡いただければ開示させていただきます!ぜひディスカッションさせてください!

インタビュー結果を振り返ると、ジャベリンボードで検証したかった項目の結果は以下の通りになり、奇跡的に全て1回で検証完了となりました。

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項目ボーダー検証結果
定期的に視聴50%82.8%
レコメンドに不満を持っている(変わり映えしない)50%79.3%
外部にレコメンドを求める30%33.3%

最後にKJ法でインタビュー内容をまとめました。

結論として出てきた課題をまとめると以下が上がりました。

  • 期待値ギャップ
  • 興味付けが弱い
  • ソート
  • レコメンドの精度
  • サジェスチョンから除外したい
  • ラインナップ不足
  • 機能の問題
  • ジャンルの細分化
  • 広告が邪魔
  • 受動的に出会えない

これに対して想定されるソリューション(魔法のランプ)は以下の通りでした。

  • トレーラー
  • タグ付(出演者、監督、感情)
  • 自動再生
  • ハイライト
  • あらすじに起承転結
  • 検索しなくていい機能
  • 機能
  • あらすじに特色
  • ジャンルの細分化
  • サムネの改善

定性的ではありますが、外部にレコメンドを求める人は一定居て、レコメンドに対する不満を持つユーザーも居ましたが、反応などを見ていると課題はペインと呼ぶほどの強いものではありませんでした

また、想定するビジネスモデル(マネタイズ)もやや強引で、UXを阻害するものであり、

映画領域のリーンキャンバス

競合と想定していたwatchaが行っていたように、VOD内部でのレコメンドを行う、つまり自社がVODを提供出来ないと難しく、データ量的にも既存プレイヤーへの勝ち筋が見えなかったことから、映画領域は一旦ペンディングとしました。

そして、このインタビューから得た大きなユーザーインサイトは以下の2点です。

  • 私が想定していたどんなカテゴリ、ジャンルが良いか悩むユーザーは少ない
  • 中身のイメージがわかない≒期待値ギャップがペイン

上記は飲食領域の検証でも大きく活きています。

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