一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する、G(ジェネラリスト)検定を受け無事合格することが出来たので、合格するための勉強方法、試験の感想などをお伝えします!
もはや身近な存在となった「AI」について、活用するための知識を身に付けることが出来ます!
G検定とは?
そもそもG検定とは何か、と言うことからご説明していきます!
G検定とは、公式サイトによると以下の目的の検定であると説明されています。
ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。
引用:公式サイト
この説明だけ聞くと「プログラミングとか理系の話なの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、非エンジニアが事業活用のためにディープラーニングを中心としたAIの知識を身に付けることが目的です。
エンジニア向けにはE検定という別の検定が用意されています。
実際、試験には計算問題すらほとんど出題されませんでした。
2017年から開始された検定資格で、2021年現在では累計約50,000人弱が受験している、今後注目の資格です。
G検定を受けるべきかどうか
この記事を見られているということはG検定の受験を考えている方だと思いますが、様々な目的の方がいらっしゃるかと思います。
私がG検定の勉強・受験を通じて感じたことは、
「AIコンサルタントなど専門的にAIを扱っている人以外はそこまで突っ込んだ話は理解する必要が無いのでは」
ということです。ディープラーニングや機械学習には様々なモデルが大量にありますが、私のようにAIを仕事で扱っておらず、教養として身に付けたい目的からするとここまでは求めて無いかな、という部分まで範囲になっています。
ただ、どんな技術があって何が出来るのか、豊富な実例からどんな場面で応用できるのか理解出来るという側面もあります。
技術の発展の流れも、体系的にまとまっていますので、教養としても身になる部分は多々あります。
結論から言うと、教養目的の方から、実務でAIを扱う方まで有益な資格ですが、教養目的の方は資格取得のためにはある程度教養目的以上の範囲まで学習する必要がある、と言うのが私の意見です。
G検定の試験概要
G検定の試験概要は以下の通りです。
受験資格 | 制限なし |
---|---|
実施概要 | 試験時間:120分 知識問題(多肢選択式・220問程度) オンライン実施(自宅受験) |
出題範囲 | シラバスより出題 |
合格ライン | 非公開 |
試験日程 | 年に3回実施 |
受験費用 | 一般:12,000円(税抜) 学生:5,000円(税抜) |
受験サイト | https://www.jdla-exam.org/d/ |
申込方法 | 個人の方 G検定受験申込サイトからお申込みください ※団体受験もあります。詳細は公式サイトをご覧ください。 |
G検定の受験方式
G検定の受験方法は「オンライン受験」となり、自宅受験の形になります。
公式テキストを見たり、検索しながら受験することが出来ます。
ただし時間がシビアなため、知識を身に付けた前提で補完的な検索でないと時間内に解き終わりません。
実際の受験画面は以下のような形です。
試験の特徴
- 「この問題をチェックする」にチェックを入れておくと、後から一覧画面から見直すことが出来る
- 全問題4択から1つ選ぶ選択肢型の出題形態
チェックを入れすぎると本当に見直す必要のある回答が見つけにくいので、注意が必要です。
G検定の試験内容と例題
G検定の試験内容・出題範囲は、シラバスより出題されます。
シラバスは以下の通りです。
- 人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
- 人工知能をめぐる動向
- 探索・推論、知識表現、機械学習、深層学習
- 人工知能分野の問題
- トイプロブレム、フレーム問題、弱いAI、強いAI、身体性、シンボルグラウンディング問題、特徴量設計、チューリングテスト、シンギュラリティ
- 機械学習の具体的手法
- 代表的な手法、データの扱い、応用
- ディープラーニングの概要
- ニューラルネットワークとディープラーニング、既存のニューラルネットワークにおける問題、ディープラーニングのアプローチ、CPU と GPU、ディープラーニングにおけるデータ量
- ディープラーニングの手法
- 活性化関数、学習率の最適化、更なるテクニック、CNN、RNN深層強化学習、深層生成モデル
- ディープラーニングの研究分野
- 画像認識、自然言語処理、音声処理、ロボティクス (強化学習)、マルチモーダル
- ディープラーニングの応用に向けて
- 産業への応用、法律、倫理、現行の議論
幅広い出題範囲ですが、受験した経験から言えることは、やはりディープラーニングに関わる出題が多く、全体の6割程度はディープラーニングの手法や特徴などについての出題でした。
例えば以下のような問題が出題されます。
その他複数の例題を見てみたい方はこちらからご覧ください。
G検定の難易度
G検定の難易度ですが、試験内容自体は難しいが、合格は比較的簡単です。
試験内容としては、細かい法規制や特徴、テキストに無いディープラーニングのモデルなどが出題されるため、おそらく実務でAI・ディープラーニングを扱っていないと知識を網羅することはほぼ不可能です。
私は3冊の参考書で勉強しましたが、初見の問題が多数ありました。
試験が難しいことに加え、公表こそされていませんが、合格者のクチコミを見ると合格ラインは80%程度であると予想されます。
ただし、前述したようにオンライン受験のため分からない問題はその場で調べることが出来るので、ある程度の基礎知識があれば合格点を取る事自体はさほど難しくありません。
単純計算で1問30秒ほどしか猶予が無いので、時間的余裕はありません。
私の受験時は120分で191問でしたが、10分程度しか余りませんでした。
G検定合格のための勉強方法、必要な学習時間
G検定に合格した私が実際に学習した方法と、必要な学習時間について解説していきます。
G検定合格に必要な学習時間の目安
G検定合格に必要な学習時間の目安は、未経験から始めた場合約100時間程度です。
仕事でAIに関わっている方でも、AIの歴史や著作権や個人情報保護などの法規制部分はあまり学習する機会が無いと思いますので、経験者の方でも50時間程度は必要になると思います。
参考までに、私は通勤電車の中で2ヶ月間、毎日2時間ほど学習し、合格まで至りました!
G検定合格のための勉強方法
G検定合格のためのおすすめの勉強方法は、以下の通りです。
- 基礎的な解説が中心の参考書を30時間程度
- 公式テキストを30時間程度
- 問題集を40時間程度
学習のために2点特徴をお伝えしたいのですが、1点目は「公式テキストは社会における活用事例は豊富だが、各モデルに関する事例や説明が抽象的で理解しにくい」と言う点です。
説明は細かく記載されているのですが、具体的にどう言うこと?それぞれの関連性は?と言う点の理解が未経験者には難しい内容になっています。
私自身も最初に公式テキストから入ったのですが、これは理解が進まない!と本屋に行って理解しやすい以下の参考書を厳選しました!
細かい部分までの記載は少し物足りないですが、体系的かつ分かりやすい具体例で説明されているため、まずはこちらの参考書で基礎的な知識を体系的に身に付けることをお勧めします。
基礎的な参考書で学習した後、公式テキストで学習すればインプットとしては十分です。
もう1つのお伝えしたい特徴が、「テキストだけでなく、問題集をメインでやり込んで特徴まで理解する」と言うことです。
冒頭でもお伝えしましたが、完璧な事前準備は不可能なほど広範囲な問題が出ます。
また、ただ単語などを暗記するだけでは通用しないため、しっかりと特徴や関係性まで理解する必要があります。
こうした特徴があるため、やや難易度の高い問題集をやり込んで、周辺知識まで特徴を理解することがお勧めです。
私はこちらの問題集を選んで学習していたので、お勧めです。
G検定合格者の声をご紹介
最後に、G検定に合格された方たちのクチコミ、声を紹介します!
現在、自社にてDeeplearningを活用した製品、「画像を利用した異常検知システム」の製品開発責任者をしております。自身の知識レベルの判定とメンバー育成に活用できるのか判断したい考えから試験を活用しました。結果として、試験勉強の段階から試験範囲が非常に幅広い内容となっていることもあり、試験勉強をすることで知識が深まったり改めて再認識することが多く、非常に大きな気づきが得られました。まだまだ発展途上な分野な為、定期的に試験を受けてみることで常に新たな気づきが得られると考えております。
40代 Mさん ICTシステム開発・製品企画
当時はAIエンジニアを夢見て転職活動中で、G検定を受講したのも転職のアピール目的でした。AIエンジニアの求人は経験者募集が多く、未経験の私にとって非常に厳しいものでしたが、G検定を受験した際に学んだ知識があったおかげで面接時にAI関連のトークを面接官とでき、なんとか内定を頂くことができました!とっても嬉しいです!
30代 Yさん AIエンジニア
自分の理解度確認のために受けてみました。試験はディープラーニングだけでなく、統計的機械学習の理論から世間動向まで幅広い出題があり、良い意味で期待を裏切られました。また、成績優秀者として表彰もしていただいたことから、会社の中でも一目置かれるようになったため、今はまわりにG検定を勧める! 教える立場にもなっています。
30代 Nさん 製造業
ぜひ参考になりましたら幸いです!