ビジネス統計スペシャリストと言う資格についてご紹介します。学問としての統計ではなく、実務で必要な統計学の知識だけ付けたい!と言う方にうってつけの資格です。
私自身も理数系が苦手な文系出身ですが、この資格のおかげで実務に活きる統計スキルを身に付けることが出来ました。
今回は2段階あるビジネス統計スペシャリスト資格の、初級編(Excel統計ベーシック)について解説します!
ビジネス統計スペシャリストとは?
ビジネス統計スペシャリストとはどのような資格でしょうか?公式サイトの説明文を転記します。
“データ分析の実践力”を評価する資格です
一般のビジネスパーソンにとってビジネス実務で必要なデータ分析スキルは、確率分布や仮説検定、推定などの統計知識と、コンピューターで分析ツールを使用してデータを分析する技能に大きく分類できます。また、多くのビジネスパーソンがコンピューターでデータを分析するのに身近で強力なツールはExcelです。
ビジネス統計スペシャリストは、データ分析の”実践”に重点を置き、身近に活用できるExcelを使用したデータ分析技能と、分析結果を正確に理解し、応用する能力を評価します。
公式サイトより
つまり簡単に言うと、「統計処理を代替してくれるExcelを使用してデータ分析を出来るようになりましょう」と言う資格になります。
初級項目のエクセル分析ベーシックとは?
ビジネス統計スペシャリストの初級編、エクセル統計ベーシックについて紹介します。こちらも公式サイトから引用します。
エクセル分析ベーシックは、データの平均値や標準偏差などの基本的な情報を把握したり、Excelのグラフ機能や関数を使用してデータの傾向や相関などを発見・分析する基礎的な分析スキルを証明する資格です。
ベーシックに関しては、「平均とは何か」のような統計の基礎の基礎知識から、実務で最低限使える統計スキルが身に付きます。受けた所感ですが、データアナリストのようなかなり専門的な分析を要する職種以外はベーシックで充分スキル的には問題ありません。出題範囲からどのようなスキルが身につくのか見てみましょう。
エクセル分析ベーシックのの出題範囲
項目 |
---|
平均 |
中央値 |
最頻値 |
レンジ |
標準偏差 |
外れ値の検出 |
度数分布表 |
標準化 |
移動平均 |
季節調整 |
集計 |
散布図 |
相関分析 |
回帰分析 |
最適値 |
いかがでしょうか?イメージが湧きにくいかもしれませんね。
- どのようにデータを見れば良いのか
- どのような方法でデータを分析すれば良いのか
- データから簡単な将来予測
このようなことが出来るようになります。私の場合実務では、「このエリアは過去の広告費をこれくらい掛けてこのくらいの成果だった。これは良い成果だ。来期はこのくらい予算を用意すればこのくらいの成果が見込めるだろう」と言ったような形で使用しています。(数万行のExcelデータ)
公式サイトからサンプル問題を見ることができるので、もっとイメージを沸かしたい人はぜひご覧ください。
エクセル分析ベーシックの試験概要
次に、試験概要を見てみましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
問題数 | 40問前後 |
出題形式 | 択一問題、穴埋め問題 ※知識を問う問題とExcelの操作をともなう操作問題が出題されます。操作問題は、問題で指示した内容をエクセルで操作し、操作結果の情報をもとに択一問題や穴埋め問題に解答します。 |
試験方法 | コンピューター上で実施するCBT(Computer Based Testing)形式 |
Excelバージョン | 操作問題ではExcel2010、Excel2013、Excel2016のいずれかを使用します。Excelバージョンは、ご受験になる会場により異なります。お客様がExcelバージョンを指定することはできませんが、操作性に大きな違いはありません。操作問題の画面解説とExcelバージョンによる違いを解説した資料をご覧ください。 操作問題の画面紹介 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 700点(1000点満点) |
受験料 | 一般価格 6,600円(税込) 割引価格※ 4,400円(税込) ※割引価格はMOS、IC3、VBAエキスパート、コンタクトセンター検定試験、ビジネス統計スペシャリストの資格を1つでも取得している方と試験当日に学生の方に適用されます。割引価格の利用方法は「割引受験制度」をご覧ください。 |
合格証 | 合格した方には、受験から約4週間で合格証を郵送します。 履歴書の記載例 ビジネス統計スペシャリスト エクセル分析ベーシック 取得 |
ビジネス統計スペシャリスト(エクセル統計ベーシック)の勉強方法
それでは次にどのように勉強すべきかお伝えします。必要な学習は大きく以下の3点になります。
- Excelの基本操作の習得
- 公式テキストで知識習得
- 反復練習
Excelの基本操作の習得
まず必要になるのはExcelの基本操作の習得です。実際の試験では、PCの画面を使用してExcelを操作して回答をしていきます。また、実務でもExcelをしないと統計分析が難しいので、基本操作は必須です。
テキスト内でも簡単な操作方法は記載がありますが、メインコンテンツではないので、別途学習が必要です。
公式テキストで知識習得
次に、実際のスキル習得です。やや実例不足な感が否めませんが、公式テキストは順序立って必要なことが上手くまとまっています。特にこれ以外のテキストをやる必要はありません。
本記事の最後に私がまとめたテキストの要約がありますので、こちらを身に付けるだけでも良いかと思いますので、参考にしてください。
反復練習
テキストの詳細でもお伝えしましたが、知識は付きますが実際に使用できるかはまた別問題です。
テキスト内でも簡単な実例を交えながらの説明がありますが、テキストの内容をExcel上で実際に行ってみることはもちろん、それぞれの項目を自分なりに解釈して、実際に0から組み立ててみることが重要です。
上記を行うことで応用が効くようになるので、かなり理解が深まるかと思います。
これら3つの対策を行うことで、実務に活きるスキルが身に付きます。
ビジネス統計スペシャリスト(エクセル統計ベーシック)の公式テキスト要約
それでは最後に、私が実際に学習した際に作成した要約をご紹介します。それぞれ分からない項目については検索しながら進めてください。
最低限必要な関数について
- 中央値 = median関数
- 最頻値 = mode.sngl関数
- 相関 = correl関数
※分析ツールから表ごとまとめて複数の相関を出せる
最低限必要な統計知識について
- 偏差 = 全体の平均との差
- 偏差値=偏差/標準偏差×10/50
- 分散 = 偏差の2乗の平均値
- 標準偏差 = 分散の√、stdev.関数(サンプルのばらつき判断)
- 変動係数 = 標準偏差/平均で、ブレの%を表せる
※分析ツールの基本統計量で12種類のデータを出せる
- 度数分布表 = 階級、度数、相対度数や累計など
- 標準化 = 平均を0,標準偏差を1に揃えて比較すること
平均と標準偏差を出してstandarnize関数、1などを基準値外れ値検査
- 移動平均 = 短期的な変動要因を取り除く
- 季節係数 = 実数を移動平均で割りクロス表にまとめる
季節係数は、最大と最小値を取り除いた平均(トリム平均)を出し、トリム平均の合計が区関数になるように調整し、その差分を補正値として出す。その後、各列のトリム平均の平均に補正値を掛けて完成
※移動平均は2019/1~などだが、季節は該当月の累計を見るイメージ
- 回帰分析 = 散布図から将来予測、最適化にはソルバーと言う機能が使える
参考になりましたら幸いです。スペシャリストについても解説しています。