今日は「GRIT やり抜く力」の要約をご紹介します。
GRIT やり抜く力とは?
IQでも才能でもない、成功に必要な第3の要素とは? 全米社会に絶大な影響を与えた成功と目標達成の画期的な理論! 人生の成否を決定づける「やり抜く力」について、自分での身につけ方から、子どもなど他人の「やり抜く力」を伸ばす方法まで徹底的に明らかにする。これまでのあらゆる常識がくつがえる衝撃の一冊!
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GRIT やり抜く力の要約
知能、運動能力が限りなく非凡でなければ入れない、米国陸軍士官学校がある。しかし、五人に一人は卒業を待たずに退学してしまう。なぜなら、ビーストと呼ばれる入学後に行われる極限まで追い込まれるブートキャンプが存在するからだ。
一体どのような人がこのビーストを乗り越えられるのだろうか。
他の分野で成功している人々も含めてその共通点は
- 「情熱」、つまり、自分が何を求めているかという方向性を持っている
- 「粘り強さ」、つまり並外れて粘り強く、努力家であること
の2点である。
情熱と粘り強さのことを筆者は「grit(やり抜く力)」と呼んでいる。
そして、調査の結果、やり抜く力と才能は関係がないことがわかった。つまり、才能があっても、その才能を活かせるかどうかは別問題だということだ。
人は圧倒的なパフォーマンスを見せつけられると、「あの人は天才だ!」とすべて才能によるものだと決めつけてしまう。しかし、偉業とはあくまでほとんど誰しもができる当たり前のことの積み重ねによってのみ達成されるのもである。つまり、努力が必要なのである。
偉業の「達成」までを分解していくと、「才能(上達の速さ)」×「努力」によって「スキル」が身に付き、「スキル」×「努力」によって「達成」される。なによりも大事なことは「努力」をし続けることなのである。(=grit)
gritを構成する要素である情熱とは、=動機の持続性であり、がむしゃらに熱心に打ち込むといったことではない。
そのためには自身の目標を明確に決める必要がある。その方法は、やりたいこと、やるべきことを羅列していき、それぞれになぜを繰りかえす。そうするとピラミッドとして最上位の目標が見つかる。その下の階層にくっつくのは目標でなく、手段である。こうしてピラミッドを作り、それに基づいた行動をすることによって目標が明確になり、動機の持続性につながる。
gritがある人たちの変化は、以下の4点にまとめられる。
- 興味 - 手段に苦しんだとしても、全体として興味をもっている目標に向かって努力することを楽しむ。
- 練習 - 毎日その日のスキルを上回るために慢心せずに練習を続ける。
- 目的 - 自分の仕事は重要だと認識し、目的意識を持つ。
- 希望
上記の4つを内側から伸ばす方法を具体的に見ていく。
1、興味
そもそも人は興味のある仕事をしている方が人生における仕事の満足度は高いし、業績も高くなるという研究結果も出ている。
そして、興味というのはある時突然はっきりとわかるといったものではなく、様々なことに挑戦している中で見つかるものである。
なぜなら興味は内省によって見つかるものではなく、外部との交流の中で見つかるものだからである。そして、最初に興味を持ったものに関しては、何度も繰り返し興味を掻き立てられる経験をする必要がある。最後に、興味を持ち続けるのに欠かせない刺激や情報を与えてくれる周囲の励ましや応援が必要ある。
つまり、少しでも興味が見つかったものに関してはまずは挑戦をしてみる。その中である程度続けてみて、これだと思えなかったら他を探せばいい。そうした中で本腰を入れてやっていきたいと思えたのであれば、メンターを見つけ、本腰を入れてやってみるということが重要である。
2、練習
やり抜く力には、興味のあることに取り組んだ「時間の長さ」よりも、「時間の質」が大切である。改善が重要なのである。
そのやり方は、意図的な練習と呼ばれ、以下のとおりである。
まず、まだ自分が達成できてない困難な目標を設定する。(ストレッチ目標)
例えば、水泳で前日のタイムよりも今日は一秒早く泳ぐという目標を立てるといった具合だ。
そして、熱心に否定的なフィードバックをもらう。それによって改善すべき点が明確になったときに、それが達成できるまで何度も練習を続ける。
その後それが達成された後は、さらに次のストレッチ目標を設定するということを繰り返す。
意図的な練習を活用するための方法は、ルーティーンが一番の手段であるから、毎日、同じ時間、同じ場所で習慣化すること。
3、目的
目的、すなわち人々の幸福に貢献したいという意思は情熱の源である。一般的に目的を持つまでには3段階ある。
個人的な興味からスタートして、やがて真剣に取り組むようになり、ついには人の役に立つという目的を見出すことになる。
目的を持つためには、手本の人物に出会うことが重要となる。まず少しでも興味を持った時に、次のステップには実際に目的を持った生き方をしている人の姿を見て学ぶ必要がある。それは誰でも構わないし、将来やりたいことと違っていてもかまわない。要は人のために何かを成し遂げるのは可能だと身をもって示してくれる人である。
目的を持った生き方は挫折や困難の連続であるが、それと同時にいかに満ち足りたものであるかを、若いうちに目の当たりにするといい。
その次に、世の中で解決すべき問題を発見する。発見の仕方は様々で、個人的な喪失体験や逆境の中で気づく人もいれば、他人が喪失や逆境に苦しんでいる姿を見て問題に気付く人もいる。ただし、問題を発見するだけでは不十分で、お手本となる人物が目的に向かって物事を実現させている姿から覚悟と信念を受ける必要がある。
ちなみに天職を持つということは、業種、職種はどんなものでも関係ない。要はこのプロセスに則っているかどうかで、例えば清掃員でも天職になりうる。
また、やり抜く力には、本人のマインドセットも関係してくる。悲観主義者(固定思考)よりも、楽観主義者(成長思考)の方がやり抜く力が高いのだ。
マインドセットに関しては、子供のころのほめられ方に左右される。つまり、生まれながらの才能をほめるのではなく、「努力」と「学習」をほめることが重要である。具体的には以下のような表現である。
(成長志向を伸ばす表現)
「よく頑張ったね!すばらしい!」
「今回はうまくいかなかったね。一緒に今回の方法を見直してどうやったらうまくいくのか考えよう。」
「よくできたね!もう少しうまくできたかもしれない所はなかったかな?」
(成長志向を妨げる表現)
「才能があるね、すばらしい!」
「まあ、挑戦しただけ偉いよ!」
「よくできたね!君はすごい才能を持っている。」
人の行動を観察することで、思考が変わることもある。つまり、言葉だけでなく、行動も影響を与えるのだ。これは子育てだけでなく、企業などにも当てはまる。自分がやり抜く力を他人に示せているかは、言動が一致しているかをチェックするといい。
また、自分自身の思考を変えるには、悲観的に考えない訓練をすることが必要である。自分のつぶやき(考え方)などをいい方向に考える癖をつけることだ。
次に、gritを外側から伸ばす方法を見ていく。
外側から伸ばす題材として、子育てについて考えてみると、「厳しい育て方」と
「優しい育て方」のどちらが正解なのだろうか?
これに関してはまず、そもそもどちらか一方しか選べないといったものではない。両立することは可能なのだ。つまり、例えば何かを子供がしたい言った時にそれを許したとしても、どこまでやるかなどは子供の判断にゆだねないということだ。
子供に厳しい要求をしながらも、支援を惜しまない育て方である。
この育て方と同時に大切なのは、子供は親のことをまねるということである。つまり、親自身が「情熱」と「粘り強さ」を見せる必要がある。
ただし、影響を与えるのは親だけでない。子供を育てるという意味においては、多くの大人が親ということになる。そこで、子供には課外活動をさせるべきである。なぜなら、コーチなどは厳しい要求をしながらも、支援を惜しまないからだ。
もう一つ課外活動をした方が良い点は、青年期に何かしらを2年以上続けた子供はその後やり抜く力が強くなっているという結果が出ているからだ。これにはもう一つの見方があり、やり抜く力が強いから続けられたという側面もある。
つまり、何かしらの課外活動を続けることで、やり抜く力を鍛えることができるのだ。
そしてもう一つ大事なことは、がんばったらご褒美がもらえるという環境を作ることだ(頑張らなければご褒美はもらえない)。
また、自身のやり抜く力を伸ばす方法として、具体的に2つの方法がある。
まず、「やり抜く力」の強い集団に属することである。なぜなら、人間は周りの文化に合わせようとするからである。
もう一つは、暗唱をすることで、言葉の力を身に着けることである。
この二つは周りに影響を与えることにも適用できる。やり抜く力の強い組織にしたのであれば、やり抜く力の強い文化を作ることである。そして、内容を考えながら伝えたい、実践してほしい言葉を暗唱してもらうことで、やり抜く力の強い組織を作ることができる。
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