今日は、「超実践 Google流資料作成術 ワークショップ」の要約をご紹介します。
超実践 Google流資料作成術 ワークショップとは?
データビジュアライゼーションの定番書『Google流 資料作成術』の実践版。
アメリカを中心に世界中で大好評の実践型ワークショップが書籍化!● 「実践力」を養成するための100以上のエクササイズを掲載
「データをもとにストーリーを語るスキルを伸ばしたい」
「データで相手から意思決定を引き出したい」
「部下の作る資料にうまくフィードバックしたい」ロングセラー『Google流 資料作成術』の読者からのこうした要望に応えるべく続編が登場!
「データビジュアライゼーションの基本」を順を追ってくわしく解説し、ビジネスの現場で使える実践力を養成する「100以上のエクササイズ」を紹介します。●どんな相手もデータ×ストーリーでアクションに導く
「一緒に練習」→「1人で練習」→「職場で実践」の3ステップで構成されるエクササイズに取り組めば、「どんな相手もデータ×ストーリーでアクションに導ける実践力」が身につきます。
「ただ見せるだけのデータ」を、「行動を引き出すデータ」にブラッシュアップするノウハウ満載。
超実践 Google流資料作成術 ワークショップの要約
データを見せるだけのものが多いので、世の中にはひどいパワポが氾濫してる
本書はデータを見せるだけでなく、データを使ってストーリーを伝えられるようになることが目的
ストーリーを伝える前提事項
・分析には2種類ある
- 探索的分析・・・様々なデータを分析し、1、2個の重要なことを見つける作業
- 説明的分析・・・発見した重要なことを相手に具体的に説明すしストーリーを伝える
相手に見せるときは説明的分析を見せる
・プレゼンは一枚一枚読み上げるスピーチの原稿でないことを意識する
・パワポのスライドタイトルバーは説明的タイトルではなく、アクションタイトルを書く(例えば「2017は予想経費は予算を上回っている」など)
・簡潔でシンプルな言葉を使用する
・まずは見出しだけのスライドを作成する
・スライドの初めに目次(エグゼクティブサマリー)を作成する
・回覧用とプレゼン用の資料を同時に作成するときは、アニメーションを使用し、ストーリーだったプレゼン用と、全部が一枚にまとまった回覧用を作成する
目次は以下
- コンテキストを理解する
- 相手に伝わりやすい表現を選ぶ
- 不必要な要素を取り除く
- 相手の注意を惹きつける
- デザイナーのように考える
- ストーリーを伝える
1.コンテキストを理解する
資料を作り始める前に、いきなりデータに触れずに、まずはコミュニケーションを取ることになったコンテキスト(背景・文脈)を考える
具体的なコンテキストは以下の通り
- 誰に
- 何をして欲しいか
- どんなデータを利用するか
コンテキストを理解するために、
- 3分ストーリー・・・3分しかなかったら相手に何を伝えるか考える
- ビッグアイデア・・・3分ストーリーの内容を一文に要約する
を使う
その後、ストーリーボード(絵コンテ)を使用し資料の骨子を作成する
→内容の変更などが行いやすので、紙やポストイットなどを使用する
2.相手に伝わりやすい表現を選ぶ
相手に伝わりやすい表現は12種類に分類することができる
表現を考える時は以下の12種類から選んでみる
・単純なテキスト・・・1つか2つの数字だけを伝えたい時はグラフなどを使用せず、数字を目立たせ簡潔な説明文を添える
・表・・・相手に興味があるところを読んでもらいたい時に使用する。ポイントとしては太い罫線や色使いなどをせずに、罫線をグレーもしくは無くし、データを主役にする
・ヒートマップ・・・表使用時、相手に解釈してもらうプロセスを省略してもらいたい時に色の濃淡を使って表現する
(以下、グラフは4種類に大別される)
・点グラフ(散布図)・・・2つのものの関係性を表す時に使用する
・線グラフ・・・連続したデータを示す時に使用し、異なるカテゴリーのデータには使用しない。折れ線グラフとスロープグラフ(2つの期間の変化を示す時)が使いやすい
・棒グラフ・・・カテゴリーごとにデータを整理したい時に使用する。棒グラフ(横の方が読みやすい)、積み上棒グラフ(カテゴリー全体の大きさとカテゴリー内の構成要素を同時に示せる。横の方が見やすい)、ウォーターフォールグラフ(積み上げ縦棒グラフの重なっている部分を分解し、一度に一つのものを見せたり、スタートと最終地点までの増減を見せるのに適している)
・面積グラフ・・・大きく異なる数値を表現するときにのみ適している
基本的には上記のグラフのみでほとんどの場合に対応可能
円グラフ、ドーナツグラフ、3D、第二軸などの表現は、相手に正確なデータを読み取ってもらいにくいので使用しない
3.不必要な要素を取り除く
資料に何か一つでも要素を加えるとその度に読み手の認知的負荷を増やすことになっている
この認知的負荷を最小限に抑える必要がある
スペースを取るばかりで、なんの理解も促さないビジュアル要素をクラターと呼ぶ
どれがクラターでどれが伝えたい情報かを判断する方法は、以下の「資格認知のゲシュタルトの法則」を使用すればわかる
- 近接・・・人は物理的に近くにあるものを同じグループだと認識する
- 類似・・・同じサイズ、形状、色などのものを同じグループだと認識する
- 囲み・・・物理的に一緒に囲まれているものを同じグループだと認識する。大体はグレー影くらいで認識可能
- 閉合・・・人は頭の中にある構造に当てはめる。全体の一部がかけていてもそれを認識できるので、グラフの境界線や背景色を消すとデータのみ強調できる
- 連続性・・・あるものを見たときに、人の目は最も自然な形を追求し、それが存在しない場合でも勝手に連続性を作り出す
- 接続・・・線などで物理的に繋げられているものを同じグループと見なす
その他資料を読みやすくするための方法は以下の通り
- 整列・・・基本的に要素は中央揃えにせず、左端か右揃えにし、全体的に統一感を出す。また、角度がつくほど可読性は下がるため、基本的に要素は垂直か水平にする
- ホワイトスペース・・・資料の空白はあった方が良い。そのために気をつけるのは、余白にはテキストと画像が無いようにし、スペースを埋めるために画像を引き延ばすことはせず、画像は無いようにふさわしいサイズにする
- コントラスト・・・色のコントラストなどでメリハリをつける際には、情報がごちゃごちゃになるのを防ぐためにメリハリの数をなるべく少なくする
4.相手の注意を惹きつける
無意識的視覚情報を使って、見てもらいたいところに集中させる方法と意図通りに受け取ってもらう方法
そもそも人が何かを記憶するのは、映像記憶→短期記憶→長期記憶の流れで物事を記憶するが、
- 短期記憶に留めておける記憶は約4つであるから、1つのスライドではなるべく情報の塊を作る
- 長期記憶は画像と言語をひもづけること、何回も繰り返し伝えることで定着する
上記を意識する必要がある
上記を踏まえて相手が認識する前に見せたいものを見せる方法として無意識的視覚情報を使用する(同時に、情報に視覚的な優先順位を付けることが出来る)
→例えば強調したいものの色を変える、サイズを変える、アンダーラインを付ける、アウトライン(囲む)などの方法がある
→これによって相手にどのように情報を取り込むべきかという暗黙の優先順位を伝えることが出来る
※無意識的視覚情報を使用すると他のものが見えにくくなるため、探索的分析では使用を回避する
色を使用するときの注意事項は以下の通り
- 控えめに使う・・・なるべく少ない色使い
- 色遣いは統一する・・・ファイル内で色使いはすべて同じものにする
- 色が伝えるトーンを考慮する・・・相手に喚起したい感情を考え、それを強調する色を使う
- ページ上の配置を自然に・・・人の視線がZ型に動くこと、数字の正負の向きなどを意識する
5.デザイナーのように考える
・アフォーダンス(相手にどのように情報を扱えばいいのか示す)
重要なものを強調する・・・無意識的視覚情報を使用する
気を散らすものをなくす・・・コンテキストとクラターを区別して、全てのデータが重要でないことを理解する
情報に視覚的階層を作る・・・無意識的視覚情報を使用して重要な要素を前面に出す
6.ストーリーを伝える
ストーリーで物事を伝えることのメリットは、繰り返しの力と、ストーリーの流れの力で、記憶に定着しやすいこと
ストーリーの構造は、「始まり・中間・終わり」である
①始まり
最初に行うことは設定を伝え、コンテキストを構築すること
基礎となる要素の設定、環境、誰が行動の主体化、未解決の問題、どうなって欲しいか、どのように解決するかを設定する
②中間
設定を伝えたら、相手にどのような可能性があるのかを説明し、行動の必要性を理解してもらう
この部分の内容は状況に応じて様々な形態を取る
アイデアとしては以下の通り
- 関連する背景情報を増やし、状況や問題についての議論を発展させる
- 外部のコンテキストや比較するものを組み込む
- 問題を説明するための例やデータを示す
- アクションを起こさなかった場合どうなるのかを示す
- 解決策のメリットを伝える
考えかたは相手が動機づけられるポイントを考え、それに合わせてストーリーを組み立てること
③終わり
これまでに伝えてきた視点や知識を基に、相手に何をしてもらいたいのかを明らかにする
提起した問題と結果として必要な行動について再度伝え、その緊急性を繰り返し、すぐに行動に移すことを促す
ストーリーを伝える際にもう一点大事なことは、ナレーションである
流れとしては大きく2パターンある
・時系列に並べる
→相手から信頼を勝ち取る必要がある場合もしくは相手がプロセスについて興味があるときに有効
・結論から述べる
→信頼関係を確立している場合やプロセスよりも結論に興味がある場合に有効
プレゼンの方法によっても伝え方が異なることに注意する
・ライブプレゼンテーション(スライドを見せながら説明する)
→スライド上の情報が多すぎてスライドを一生懸命に読むことに相手の注意が映らないように注意する。また、質問は最後にと、どういう手順で話すのか(まずは結論から話します、など)を前もって説明する
・報告書などの文書
→事実の箇条書きや数字で埋め尽くされたスライドにせず、ここから何を読み取るべきかをきちんと記載する
ストーリーが明確かどうかを確かめる方法は以下の通り
・水平ロジック
→パワポのタイトルのみを読み、伝えたい包括的なストーリーが伝わるか
・垂直ロジック
→各スライドの内容がそのスライドのタイトルを強化しているか
・逆スト―リーボード
→完成した資料を見ながらスト―リーを作成して筋が通っているか
・第三者の目
→内容について全く知らない人にフィードバックをもらう
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