今日は、「企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続」の要約をご紹介します。
企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続とは
垂直統合、コストリーダーシップ、製品差別化、リアルオプションなど、個別の事業戦略を解説。
欧米MBA校の人気テキストがついに翻訳完成。従来の競争戦略を中心とした戦略論に、リソース・ベースト・ビュー(経営資源に基づく戦略論)の概念を統合させた初のテキストであり、企業の目的から戦略の本質を明確に定義づけ、一貫した「成功を収めるための戦略」を網羅的に解説する。
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企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続の要約
戦略の希少性+模倣困難性があって初めて持続的な競争優位となる
・コストリーダーシップ → コストの引き下げ
具体的要素
- 技術的ソフトウェア(経営管理や組織文化)
- 地理的ロケーションのみ
・差別化戦略 → 価格の引き揚げ
具体的要素は
- タイミング(先行者優位)
- 評判(機能だけでなく情緒的なもの)
- アフターサービスとサポート → 最低限度ではなく質の高いもの
+それぞれに適したマネジメント方法があり両立も可能
・垂直統合
バリューチェーンにおけるどれだけの活動に関わるか
前方垂直統合…顧客に近付く
後方垂直統合…顧客から遠ざかる
企業の垂直統合度→売上高付加価値率の高さで判定できる
垂直統合の意思決定→統治選択の一つ
・経済取引の統治の方法
市場による統治…主体者同士が見えない市場を介して取引
- スポット市場契約
- 完備契約
- 逐次契約
- 関係性に基づく契約
↓
中間的統治
↑
垂直統合…経済取引が一企業の内部で完結する(階層的統治)
- 内部市場
- 官僚制
- クラン
・経済取引統治選択の重要フレームワーク
取引費用経済学…ある経済取引が潜在的に価値を持つ時、統治方法の目的は取引主体が不公平に搾取される脅威を可能な限り低いコストで最小化すること
→互いに協力するインセンティブと同時に騙したりするインセンティブも働く→機会主義の脅威 ※取引主体がもう片方の弱みにつけ込む時発生
つまり脅威を抑制する制度的な枠組み作りが目的
統治が精巧な程効果があるがコストも上がる→脅威最小化に必要な最低限度の統治レベルを選択
何が脅威を決定付けるのか
- 経済取引における取引特殊な投資のレベル
- 経済取引が内包する不確実性と複雑性のレベル
1.
取引特殊…経済取引に伴う投資の価値が他の取引における同等の取引よりも価値が大きい時の投資
この時精緻な統治が必要になる
2.
取引の展開が予測出来れば脅威を想定できる
そのため複雑不確実な方が精緻な統治が必要
企業が取り得る戦略
- 垂直統合の追求
- コストリーダーシップ
- 製品差別化戦略
【コストリーダーシップ】
事業コストを競合を下回る水準に引き下げ競争優位
※正しこの戦略だけを取る事はあまり無い
コスト優位の源泉
・企業規模と規模の経済(ある点を超えると規模の不経済=>マネジメント不足や従業員モチベーション低下)
生産規模と工場や設備のコスト(生産設備↑コスト↓)
生産規模と従業員の専門化
生産規模とら間接コスト
・累積生産量(学習曲線=>下がり続ける)
製造機能に限らず適用出来る
・生産要素への低コストアクセス
生産要素…人や金などあらゆるインプット
・規模の経済と無関係な技術上の優位
→ソフトウェアも対象
↑↑これまでは同様の製品前提だがどんなサービスを提供するかの選択も出来る
競争優位をもたらすのは稀少かつ複製・代替模倣の困難性
※一概にこの通りではない(ハードウェアが独自のスキルを活かしたものの場合など)
持続可能な競争優位は選択そのものではなく政策が企業独自の歴史や因果関係が不明な社会的複雑性を有する社内プロセスを反映しているかに依拠
実行の為の組織
→最も効果的なのはU型組織(CEOを頂点とした機能別組織、金銭的報酬も有効)
結論持続的な競争優位となりうるのは
技術的ソフトウェア(経営管理や組織文化)or地理的ロケーションのみ
【差別化戦略】
市場が認知する競合の価値に対して自社の認知上の価値を増大させること→常に顧客の認知の問題
- 理論的説明
- 実証研究
1.理論的説明
・製品の特徴(bozuは音質など)
・機能間のリンケージ
企業(自社)内における複数の機能間の連携
・タイミング
新興企業ではいかに先行者たるか
→認知的差異も生み出せる、先行者でなくともPESTにもよる
・地理的ロケーション
・品揃え
・他企業へのリンク
→例えばスターウォーズとのコラボ
・評判
2.実証研究
・多次元スケーリング(帰納的)
類似サービスの認知上の類似性を分析する手法
→どの程度それぞれが似てるか潜在顧客に対して質問→マトリクスに落とせる→正確な次元を見つけることが出来たら製品差別化要因たり得る
・製品価格決定要因の相関分析(演繹的)
模倣困難な源泉は下部の5つ(特に以下の3つ)
- タイミング(先行者優位)
- 評判
- アフターサービスとサポート → 最低限度ではなく質の高いもの
・それぞれのマネジメント組織
コストリーダーシップと差別化戦略を同時に実行できるかという命題
→差別化と市場シェアと低コストは相関関係にあることからむしろ全てを達成しなくてはいけない
・その他に競争ではなく協力する戦略を取る選択肢もある
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