今日は、「企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続」の要約をご紹介します。
企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続とは
戦略の本質は何か。競争優位とは何か。企業の成功をいかに持続させるか。競争戦略を超えた戦略論の金字塔がついに完成。
欧米MBA校の人気テキストがついに翻訳完成。従来の競争戦略を中心とした戦略論に、リソース・ベースト・ビュー(経営資源に基づく戦略論)の概念を統合させた初のテキストであり、企業の目的から戦略の本質を明確に定義づけ、一貫した「成功を収めるための戦略」を網羅的に解説する。
aamzonより
企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続の要約
競争優位とは
競争優位とは以下3つの上位の状態
- 競争優位(経済価値を生み出しつつ競合が同じ行動をしていない)
- 競争均衡(経済価値を生み出しつつも競合が同じ行動をしている)
- 競争劣位(経済価値を生み出していない)
競争優位の要素はSWOTの中身
→ SWOTフレームワークは以下にどのような質問を発すれば良いか
自社の強みを活用し、弱みを回避するか克服し、機会を捉え、脅威を無力化し得るか、SWOTそれぞれに対してフレームワークを使用する事で答えを探すことができる
脅威:外部環境の脅威が何で、その脅威はどのようにして無力化することができるのか
機会:外部環境における機会が何で、どのようにしたらそれを活用できるか
強み:強みが何で、どのように活用できるか
弱み:弱みが何で、どのように回避、克服できるか
・外部環境 (≒ 業界の魅力度(脅威と機会の程度によって決定))
→ SCPモデル(業界構造→企業行動→パフォーマンス) ※業界の構造が持つ特性によって企業の行動の選択肢や制約条件が決まる(以下4つに分類される)
脅威 → 5forces
・新規参入の脅威
参入コストの高さ(参入によるリターンを参入コストが上回るかどうか)
規模の経済
EOSカーブがUカーブになっている時に働く
製品差別化
ブランド認知度や顧客ロイヤリティを指す
規模に無関係なコスト優位性
自社独自の占有技術
参入者の開発コストが期待と比べてどうか
ノウハウ(業界で競争していくために必要な知識や技術)
原材料への優位なアクセス
有利な地理的ロケーション
学習曲線(累積生産量に反比例してコストが小さくなる)
意図的抑止(上記に関係なく生産に関係なく意図的に障壁を作る)
顧客のスイッチングコスト
政府による参入規制
・競合の脅威(以下は競合度合いが高い)
競合企業の多さ
競合が同規模で同程度の影響度
市場成長率が低い
製品差別化が難しい
生産能力の増強範囲が大きい
・代替品の脅威(価格と利益に上限を突きつける)
・供給者の脅威
※供給者なしのため省略
・購入者の脅威(以下は脅威度合いが高い)
購入者が少ない
販売されるものが標準化され差別化されていない
購入者の製品原価の高い割合を占める
購入者が高い経済的利益を得られていない
後方垂直統合能力を持っている
脅威を明らかにし、業界の平均的なパフォーマンスを把握
機会
業界の構造理解し、それに付随する機会を検証する
・市場分散型業界
多数の小中規模企業が存在、市場シェアの大部分や主要技術を占有するような企業無し業界
機会
新しい規模の経済を発見
所有構造の転換
→シェアを大きくすることでコスト優位に立つが、リターンとコストを勘案する必要
・新興業界
技術革新や市場需要の変動、新しい顧客ニーズの出現により生まれた業界
機会(先行者優位 ※基本的には短命)
技術リーダーシップ
特許または低い生産コスト
戦略的に価値ある経営資源の先制確保
製品市場におけるポジションなどを価値が知れ渡る前に確保する
顧客のスイッチングコストを高める
※その他は省略
戦略グループの概念:
業界すべての企業が同一の脅威、機会に恵まれるわけではなため、
業界内で企業をクラスタリングするとより精度が高まる(STP)
→戦略グループ単位の移動障壁も勘案する必要がある
・内部環境
外部はSCPのみだが、内部はいくつか潮流がある
1.企業固有能力に関する伝統的研究
経営者(戦略決定者)
組織リーダー(ミッションや目的を想像し、その体制や組織作りをする人)
2.リカード経済学
供給が非弾力的な経営資源の保有(土地など)
3.企業成長の理論
企業とは、以下の2つの観点を最大化する
生産資源の束
個人やグループの行動をリンク、調整する管理のフレームワーク
上記を統合した考え方 → リソースペーストビュー(経営資源に基づく企業観)
経営資源の異質性(企業は生産資源の束であり、企業ごとに資源は異なる)
経営資源の固着性(資源の複製コストが高いまたは供給が非弾力的)
経営資源の種類とは
・財務資本
・物的資本
物理的技術、設備、立地など
・人的資本
人材育成訓練、マネジャーや従業員の経験・知識など
・組織資本
個人の集合体で管理、調整のシステム、自社と他社との関係性など
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モノ
機械・設備
カネ
資金力
ヒト
従業員の技能
組織
情報
技術力
ノウハウ
時間
知的財産(無形資産)
著作権
クライアント
ブランド
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上記をバリューチェーンに当てはめて競争優位になるケイパビリティを明らかにする
どんなケイパビリティを有しているか、それぞれの段階で競争優位か劣位かなどが明らかに
※バリューチェーンはマッキンゼーやポーターのモデルなどがある
その上でVRIOフレームワークに答えることで強みと弱みを分析する
・経済価値に関する問い
ケイパビリティは外部環境における脅威や機会に適応することを可能にするか→YESは強み
有していない場合は獲得する必要があり、または新しい方法でケイパビリティを強みとするが、価値が無い物は弱みになる
・希少性に関する問い
持っていない場合と比較して価値を生み出す→価値があるケイパビリティで、どのくらいの企業がその価値あるケイパビリティを有しているか
・模倣困難性に関する問い
そのケイパビリティを有さない企業はその獲得に祭して保有企業に対してコスト上不利か
※模倣時コスト不利をもたらす要因は4つ
1.歴史
時間圧縮の不経済(いつどこにいたかに起因する)
経路依存性(ケイパビリティのための価値が元々低かった)
2.因果関係不明性
模倣対象のケイパビリティと競争優位の理由がわからない場合
3.社会的複雑性
リソースが社会的に複雑である場合、例えば自社の評判など
→物理的な技術に関しては大抵の場合後続の方がコスト安になるが、適用の段になるとその限りではない
4.特許
・組織に関する問い
ケイパビリティが戦略的ポテンシャルをフルに発揮出来るように組織されているか(報酬体系やマネジメントシステムなど)
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VRIOフレームワーク
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