今日は、「マイケル・ポーターの競争戦略〔エッセンシャル版〕」の要約をご紹介します。
マイケル・ポーターの競争戦略とは?
経営戦略を学ぶものが避けて通れない、世界的権威マイケル・ポーター教授の競争戦略論。ポーター本人の全面協力により、エッセンシャル版がついに登場! 巻末にポーターとのQ&Aを収録。
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マイケル・ポーターの競争戦略の要約
競争とは
ユニークな存在になること
それは業界の構造、企業が業界に占める相対的なポジションが生み出す
ビジョン↓
ミッション↓
バリュー↓
ストラテジー↓ → 競争戦略
オペレーション↓ → バリューチェーン分析×業務効果(各職能)
業界を分析してポジショニングを定める(変わらないニーズは何かが基準)
→どのようなバリューチェーンで価値を生み出すかPDCAを回す
・競争とは何か
戦略=競争に晒された組織に高業績を継続的にもたらす競争戦略を説明するもの
最高を目指す競争=×
→事業においては全てのニーズを満たすものは存在しないから
→独自性を目指した競争をすべき(ライバル企業を模倣するのではなく、選んだ顧客のために一層大きな価値を提供する)
・5つの競争要因
5Fが業界の構造を決定する
それぞれ以下の場合に影響力が高くなる
買い手:
- 差別化されていない
- 他のコストや予算に比べて相対的に高価である
- 買い手の製品に影響を及ぼさない
サプライヤー:
- サプライヤーが大規模で集中している
代替品:
- 経済性に着目し、代替品がコスパの高いトレードオフになるか
新規参入者: → 以下によって参入障壁を評価
- 規模の経済性は働くか
- 顧客にスイッチコストが働くか
- ネットワーク効果があるのか
- 新規参入の入場料はどれくらいか
- 業界の既存企業に規模以外の強みがあるか
- 政府の政策は新規参入を妨げられているか
既存競合企業:
- 規模と影響力に差異がない
- 業界成長が鈍い
- 撤退障壁が高い
- 競合が事業に対して道理に合わない執着を持っている(国営など)
価格競争が起きるのは以下の場合
- 製品の見分けがつかない
- スイッチングコストが低い
- 固定費が高く限界費用が低い
- 生産能力の拡充が必要になった時(稼働率を上げるために価格を下げる)
- 製品が陳腐化しやすい時
価格↓(代替品、新規参入、買い手、既存企業) ー コスト↑(既存企業、サプライヤー) = 利益
業界分析の典型的な手順
- 業界を製品の範囲/地理的範囲の面から定義する
- それぞれの競争要因を構成する当事者を洗い出しグループに分類する
- それぞれの競争要因を促進する要素(ドライバー)を分析する
- 収益性の鍵を握るのはどの要因か全体的な業界構造を見極める
- 各競争要因の最近の変化と起こりうる変化を分析する
- 5つの競争要因について自社をどのようにポジショニングするか検討する
・競争優位 → 投下資本利益率(ROIC)を指標とする
競争優位とは競合に比べて
- 低いコストで事業を運営している
- 高い価格を課しているか
↓
戦略とは相対的価格と相対的コストを自社に有利に働かせること
それによって競合以上の利益を生み出すことができ、顧客獲得やブランディングにコストをかけ拡大することができる?
5F(業界の収益性の決定要因を分析) → 業界の平均的な価格とコスト
バリューチェーン(活動における違いを分析) → 相対的な価格とコスト
差別化=割高な価格を要求できること
→無数の活動から生まれる→活動の集合体=バリューチェーン
※バリューシステム(顧客に届くまでの流れ)内のVC
バリューチェーン分析の方法
- 業界のバリューチェーンを洗い出す
- 自社と業界のバリューチェーンを比較する
- 差別化の鍵を握る活動に着目する(競合と同じ活動を異なるやり方で実施するかやらない活動を行うか、こうした価値をコストをかけずに行えるか)
- コストドライバーな活動に着目する
相対的なコストポジションはVC内のそれぞれの活動の実施によって構成される
業務効果(ベストプラクティス、エグゼキューション)≠戦略
→収益性を高めることはあるが、持続はしない
戦略とは何か
以下の5つの条件が満たすべき条件
特徴ある価値提案:(需要サイド)
どの顧客を対象にするか
どのニーズを満たすか
相対的価値をどのように設定する必要があるか
特別に調整されたバリューチェーン:(供給サイド、これが無いと全企業が同じ価値を提案出来てしまう)
ライバル企業とは異なるトレードオフ:(受給のかすがい、何をやらないか選択すること)
例)IKEAは組立て式のみで従来型は組み立てられたもの、店に販売員を置くかどうか等
トレードオフが生じるのは、
特性を両立させられない場合(IKEAは手取り早く済ませたい層は満たせない)
活動そのものにトレードオフ(安く泊まりたいのにコンシェルジュ)
イメージや評判の不一致(フェラーリがミニバン)
バリューチェーン全体の適合性:(価値の増幅装置、たった一つのコアコンピタンスのみが有効は間違い、戦略は相互依存的な選択によって生まれる)
それぞれの選択がそれぞれの価値を高めている
→活動システムマップを作成することで整理(下記)
長期に渡る継続性:
ブランドの構築、個々の活動の最適化
重要なこと
提供価値をブラさない →価値提案、対象ニーズの核、相対的価格
将来は予測不可→戦略は将来予測の上に成り立っている→だから1つの戦略に徹すべきでは無い
→これは間違いで、具体的な将来予測は不可能のため、唯一必要なのは今後10年間で相対的に堅牢なのはどの顧客やニーズかどうか
戦略を変更する時は価値提案が意味をなくす時、イノベーションによってトレードオフが効力を失う時
複雑なシステムをいきなり生み出すことは不可能
→1つの戦略を貫くことで自らの生み出す価値について十分に理解し、うまく実行できるようになる
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