今日は、「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」の要約をご紹介します。
カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則とは?
「対応」から「伴走」へ。顧客との関係づくりの新常識。
あらゆる分野でサブスクリプションが広がる今日、
企業は「売る」から「長く使ってもらう」への発想を変え、
データを駆使して顧客を支援しなければならない。
シリコンバレーで生まれ、アドビ、シスコ、マイクロソフトなど
有名企業が取り組む世界的潮流のバイブル、待望の邦訳。「“顧客の成功”が企業の利益になる時代。これからのビジネスの基礎となる考え方と組織のあり方を学べるガイドブック。」
――馬田隆明(東京大学本郷テックガレージディレクター、『逆説のスタートアップ思考』著者)サブスクリプションが世界を席巻している。ソフトウェアから音楽、食品、IoTビジネスまで、あらゆる分野で定期購入や従量課金のビジネスモデルが急速に拡大しているのだ。
売ることよりも長期的な関係をつくることが、新規顧客の獲得よりも既存顧客の保持が求められるサブスクリプション時代において、カギとなるのが「カスタマーサクセス」だ。
受け身で顧客に対応するのではなく、データを駆使して顧客を積極的に支援する。そのためにマーケティングはもちろん、事業と組織のあり方を最適化する――。シリコンバレーのSaaS企業で生まれたカスタマーサクセスの哲学と方法論は、いまや非IT企業や従来型企業にも広がり、ビジネス界の一大潮流となりつつある。
カスタマーサクセスはなぜ、どれほど重要なのか。どうすれば定期収益を育てられるのか。組織とマネジメントはどう変わるべきなのか。先進的な企業はどんな取り組みをしているのか。カスタマーサクセスの最前線で活躍する著者らが明解かつ実践的に語ったバイブルの邦訳版。
(構成)
第I部 カスタマーサクセスの歴史、組織、必要性
第1章 サブスクリプションの津波
第2章 カスタマーサクセス戦略
第3章 定期収益型でないビジネスにおけるカスタマーサクセス第II部 カスタマーサクセスの10原則
第4章 カスタマーサクセスの実践
第5章 原則(1) 正しい顧客に販売しよう
第6章 原則(2) 顧客とベンダーは何もしなければ離れる
第7章 原則(3) 顧客が期待しているのは大成功だ
第8章 原則(4) 絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する
第9章 原則(5) ロイヤルティの構築に、もう個人間の関係はいらない
第10章 原則(6) 本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ
第11章 原則(7) タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう
第12章 原則(8) 顧客の指標を深く理解する
第13章 原則(9) ハードデータの指標でカスタマーサクセスを進める
第14章 原則(10) トップダウンかつ全社レベルで取り組む第III部 CCO、テクノロジー、未来
amazonより
第15章 最高顧客責任者(CCO)の登場
第16章 カスタマーサクセスのテクノロジー
第17章 未来はどうなっていくのか
カスタマーサクセス – サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則の要約
CSの仕事とは
ロイヤリティは2種類存在する
- 行動ロイヤリティ → 便利だから
- 心理ロイヤリティ → そのブランドや商品が好き
CSは心理ロイヤリティを生む仕事
CSを生み出したのはインターネットの広がりとクラウドの登場(ユーザーがインフラやソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用する考え方のこと)
- SaaS →あくまで提供モデル
- サブスクリプション →支払いの方法
CSから得られる利益は以下の3点
- チャーンの減少と管理
- 既存顧客の契約金額増
- CXと顧客満足度の向上
→心理ロイヤリティの構築≒心理ロイヤリティの構築 → アップセルorリテンション
CSとカスタマーサポートの大きな違い、行動基準は以下
- 先回り型
- 指標が顧客の思考
- 目標は予測性のため分析中心
組織をCSに最適化するためには、従来の売上の増加に+してリテンションも指標として追加する
重要なのは必要な時の手助けではなく、助けが必要になる頻度を減らすこと → 指標として持つべき
顧客層は以下の3段階に分類できる(必ずそれぞれの線引きが必要)
・ハイタッチ(価値が高く数は少ない)
オンボーディング、ベンダー内の引き継ぎ、定例(月1)+QBR、定期ヘルスチェック、更新日前の連絡
・ロータッチ
パッケージ化されたオンボード、定例(年1)、自動化されたヘルスチェック
・テックタッチ(個別対応はいらないがロングテールで重要、2Cではこれのみ)
ウェビナー、ポットキャスト、メール、コミュニティ、ユーザーグループ、サミット
→特にメールが重要で、細かくセグメントし内容も精査できるため深く分析する必要がある
+で不定期のやりとりも基準をそれぞれに設ける
CSが意識すべきこと
1.正しい顧客に販売する
成功に導けない顧客には莫大なコストが生まれてしまうため、正確に見極める必要がある
2.顧客が求めているのは成功
以下をKO時に知る必要がある
- 顧客はどのように成功を測っているのか
- その指標で顧客が成功しているのか
- 成功への過程でどんな期待をしているのか
3.カスタマーヘルスを計測する
将来予測、部門の成果管理のために計測する
有効な指標は以下の通り(事前に健康状態の数値を定義しておく)
- 製品定着率(使う頻度や誰がどの機能を使っているかなど多角的に)
- カスタマーサポート(どれくらいの頻度かなど)
- テックタッチの成果(オプトアウトやダウンロード率など)
- アップセル額
- 支払い履歴 etc.
全ての行動がカスタマーヘルスを上げることに繋がっている必要があり、下がっている傾向にあれば必ず行動する
4.ロイヤリティに個人間の関係性はいらない
事業規模の拡大は=ロングテール
以下の流れで事業を拡大していく
・自社の事業に合った指標で顧客をセグメント化
SMBや2C、2Bなど
・セグメント毎に顧客カバレッジモデルを決める
タッチモデルの3つに分類し、1人あたりそれぞれ何社持てるのか(どのくらいリソースを割けるのか)決める
・対象モデル毎に顧客とのやり取りの指標を決める
それぞれのモデル毎にどの手法でどんなやり取りをするのか決める(定例やEメールキャンペーンなど、記載済みの3段階分類に)
・顧客とのやり取りする頻度を決める
次にモデル毎ではなく全体の接触頻度を決める(ニュースレターなど)
・強固なロイヤリティコミュニティを構築し、顧客同士を結びつける
ポータルサイトやFBグループなどでやり取りの場を作る
・顧客のフィードバックループを作る
手法は様々あるが、総論ではなく対応内容、品質などそれぞれに対する計画を立て、仕組み化する
5.拡張可能なのは製品だけ
CSMの目標は以下の3点
- 製品の定着率を高めて価値を引き出す
- 顧客のライフサイクルなどの問題に対して不満の真因を取り除く
- 自社製品が同分野で最高の製品であるようにする
6.TTV(タイムtoバリュー)の向上
具体的な顧客の成功指標とその基準値を契約の初期段階で決める
ただし頭にある顧客の方が少ないため、指標に関しては他顧客の横展でこちらから舵を取る
7.顧客の指標を深く理解する
CRMシステムを構築する際に、チャーンとリテンションを規約、顧客単位の粒度まで計測できるようにする
そのために選択肢のリストと、自由記入欄をシステムに追加する、かつシステムは全てのデータを一気通貫で見れるようにまとめておかなければならない
8.CSの成熟レベル
・初期段階
プロセスは個人の属人的な方法に委ねられる(納品にムラなどができ将来的に苦痛)
・反復出来る段階
必要なプロセスの原理原則が定義され初期段階の成功を繰り返せる
・定義された段階
プロセスを文書になり標準化される
・管理され最適化される段階
計測し、改善を続けられるように
計測は以下の3パターン
・ユーザー行動
ログイン数や特定機能の利用状況やNPSなどを事業成果と絡めて計測
・CSMの行動
サポートチケット数やリスク低減活動の有効性など、組織として
・事業成果
リテンション数やNPSなど
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